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ホーム活動報告

決意漲る方々に万歳!(入庁事前研修会)

本日、新しく可児市役所に入庁する方々の事前研修会が実施された。
決意に満ち満ちた人たちが、りりしい姿で出席されていた。
本センターの局長として講話依頼された。人生スタートする人へのお話をさせてもらうことはうれし事です。
1時間で、お題は、「公務員の資質について~信頼される公務員とは~」であった。
入場時の初めの挨拶も終わった時の挨拶も礼儀正しく嬉しかった。

内容の骨子は、

①皆さんが可児市に入庁、希望されここにいることは、偶然でもなく、奇(く)しき縁(えにし)でありましょう。ここ以外に多くの職場があるのに、ここに決めて挑戦したこと。それぞれが生まれ違った道を進まれたのに、こうして生きあうことは、なるべくしてなったように思います。「同期の桜」であり、今後何かあった時は、助け合いながら勤めに、がんばっていただきたい。

②一方皆さんの公務は、行政の仕事としての、最も大事なことは、「可児市民を守り」通していただきたいことです。何のための公務員なのかは、「いかに市民を幸せにしてあげるか」が皆さんの役目です。

市民も、皆さんと同じ縁あって可児市に移り住んでいる方です。同じ奇しき縁で結ばれた市民ですので、なお更に守り通してほしいと思います。

③それでは、公務員として、どのようなことが大切であり、資質として何を鍛えれば良いか、また公務員の人間としてのありようにつき、人間とは?ということを普段思ったことのない、不思議なことを上げて、考えてみたい。

以下に示します。

行政人(公務員)の資質について

職員内定者入庁前研修会資料  平成27年3月26日
可児市人権啓発センター
川手 靖猛(事務局長)(法学士・社会教育主事任用資格者)

1、行政人は、市民の模範たれ!

――市民の「全体の奉仕者」の自覚を。(市民サービス精神)

・「しましょう!」でなく「努めます!」である。=役所は、市民の守り手「能動の役目」を持つ。

★姿勢:中立・公正・公平・誇りと自信をもって。(対: 法・条例・市民等)

★人格:人権と道徳を重んずる人に。(人間力)

2、行政人が、人権的に守るべき3つの責任

人権の定義=人間が人間らしく幸せに生きていくための権利

  1. 人権を尊重すること。=人権侵害(蹂躪)をしないこと。
  2. 人権を実現すること。=社会保障や学校教育等を推進することを通し実現していくこと。
  3. 人権を保護すること。=人権侵害への対応(擁護)と啓発により理解を広め深めること。

3、行政人は、徳のある人たれ!

★中国の道徳学での「四端説」について(性善説を唱えた孟子の説)

 <誰でも持ち合わせている道徳感情であり、出せるよう心がけにより、人徳者となれる> 

=(4つの徳のきざしに磨きをかける)――内発力(エンパワーメント)の強化

心を差し出すことを仁(じん)という。
心を受けた人は、義を守り、
温情を出して礼を尽くす。
出す人・受ける人が互いに効果あるように努力することが智である。

=<四端(4つのきざし)>

  1. 惻隠(そくいん)―いたたまれなく、あわれむ心=<仁の端>人間性・良識性・平等性
  2. 羞悪(しゅうあく)(廉恥)―不正や悪を憎む心。(恥を知る心)=<義の端>正義・責任感
  3. 辞譲(じじょう)―ゆずる心(包み込むような心)=<礼の端>協調性・謙虚性
  4. 是非(正しいことと間違っていることを判断する能力)=<智の端>常識・知識・論理力

 ★荀子(じゅんし)性悪説――人は欲望を持って生まれるので、制度(法・施策・戒律等)の中で育み成長する。=行政での考えと似ている (企画・立案力)

4、ヒューマ二ズムの人たれ!

ヒューマンスキルのある人に!

  1. 「フランス人権宣言」での自由・平等・博愛を大切に。
  2. 人間性(humanity)の語源について=ラテン語の(humus)=腐植土の意から。

★「アインシュタイン」に日本の学生が質問した「人間は何のために生きているのか」と問うと「他人を喜ばすためです。そんなことが分らないのですか」と答えたという。

5、人望のある人たれ!

= 人生は、一瞬先どうなるかわからない。

今を大切にして、全力で。

(人間の不思議なこと①)

「道は近きにあり、然るにこれを遠きに求む」(孟子) ―――(見識力)(洞察力)
仕事ができる人、だけでなく情のある人たれ。(人情力)

6、「聞き上手の人」となれ!

=自分が「生まれた時」と「死んだ時」も同じだが、自分の顔(表情)は、一生涯、本当の顔は、わからないでいる。

生きている時でも、相手を通してしか、わからないもの。
鏡や写真は、物を通しての自分であり、そのまま自分の顔ではない。
まして変化する表情は、相手の反応からしか推測できない。「相手こそ鏡」

(人間の不思議なこと②)

「大寓を出させる人は、可愛げがある」(格言)の通り先輩によく聞いて仕事をすること。(謙虚さ)
また、市民の話に相打ちをしながら、良く話を聞くこと。(市民満足度=誠心誠意)・レジリエンス

7、ポジティブ(プラス思考)に生きよ!(向上心・創意力)

  何事にも感謝の心で挑むこと=「こんなことをやるため」に入ったのではないと決して思わない。「徳を持って怨(おん)に報いる」との格言の通り。――レジリエンス(折れない心)の強化

8、性格(個性)を生かせ!

=あなたはだれ?証明して!――免許証・謄本?

(人間の不思議なこと③)

何かを通して知らしめるしかない=仕事・人との交流等――(協調性)
生涯(日々の積み重ね)を通して証明――あきらめないこと。――(完結力・責任性)

★社会組織では、いろんな性格の人があって力がでる。――(多様性の尊重)

合わない仕事は、決して無いこと肝に銘じてやること。(自覚力)
自分でしかできない使命があると自分に言い聞かせること。(使命感)

★「みんな違ってみんないい」――相手を認める。=差別・偏見は、この不理解から。(人権力)

  • 違いで、人に優劣を付け・軽蔑・排除しては、ならない。=自分勝手に作られた異質性は、否。
  • 「相柔を盾(たて)とするが人なり」―「バランス感覚」が大切=人の特質の理解(一方的・否)

  中国の古典「書経」に、

  1. 寛にして栗(りつ)=寛大だが、しまりがある。
  2. 柔にして立(りつ)=柔和だが、ことが処理できる。
  3. 愿(げん)にして恭(きょう)=真面目だが、丁寧で「つっけんどん」でない。
  4. 乱にて敬(けい)=事を始める能力があるが、慎み深い(謙虚さ)がある。
  5. 擾(じょう)にして毅(き)=おとなしいが、芯が強い。
  6. 直にして温(おん)=正直・率直だが、温和である。
  7. 簡(かん)にして廉(れん)=大まかだが、しっかりしている。
  8. 剛(ごう)にして塞(そく)=剛健だが、心も充実している。
  9. 彊(きょう)にして、義(ぎ)=剛勇だが、正義をもっている。

~但し思いやりの情がないと人は、ついてきません~ <ここまで>