2012年6月14日映画「風のかたち」と「監督とのトーク」
ドキメンタリ―映画「小児がんと仲間たちの10年」のサブタイトルのついた
「文化庁映画賞受賞作品」である「風のかたち」が、6月8日可児市文化創造センターにおいて、公益法人「人権啓発センター(橋本敏春代表)」の主催で開催された。
演出監督の伊勢真一氏が映画のあとに「可児市人権擁護委員前部会長」の山田まゆみさんとの軽妙なトークがあった。
小劇場満員の多くの人に感動を与えた時間であった。
10年間撮り続けた小児がんの子どもの人生模様が克明に撮られていた。
「子どもは、死んじゃあいけない人だよね・・・」2万5千人の小児がんの子どもらを看取る人の問い掛けである。
この映画は、10年の歳月を通して、そのこどもが訴えることを、一途に命の尊さと生きる意味を、懸命であるが、やわらかく問いかけてくれていた。
小児がんは不治の病でなく80%治る病気だと言う。
聖路加病院の副院長(小児科医)は「子ども達があそこまで、ちゃんとしなやかに立ち直って、ねえ・・・人間は強く創ってあるのだ。ポジティブに上手に経験を利用してほかの人にも影響を与えながら生きていけるって、とても力づけられますよね」と別の対談でいっている。
わずか数歳の子どもが、最悪の病魔に侵されながらも、弱さを強さに変えて生きる姿、それにより看取る人に逆に力を与えていく使命があること、人生短い中で生きる価値を形として残しきれることを監督は、描いていた。
「風のかたち」こそ、全ての人が違う人生を歩むように、人を包み込む風は、いかなる時に人の心を動かし得るのかを、限りある命の極限の状態を通して、人としての価値の著しを、数歳の子どもにおいても人はできることを示してくれていると思った。
しかし切ない映画であった。生まれ出たその時からの苦しみ、宿命といえども、これほど酷なことはない。
すべての整いがない時に、侵される命のありようが、深く胸に刺さってきた
また子どものガン医療への施しの理解不足もあるという。
それは、「人は、必ずや病気等の何かしらの苦難を背負って生きているので、苦しみ貧している時、助け合うこと」の大切さを教えている。
このことは、福祉の眼目であり、皆保険制度等の福祉制度であるが・・・。
「自分が背負わなくてはいけないことを、あの人が背負ってくれている」と言うのが福祉概論での福祉の概念である。
ゆえにどういう形であれ生きる権利は、事案が多い少ないのでなく平等互恵であり平等の支えを法は保証しなくてはいけないのである。(y・k)