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ホームイラストギャラリーぬくもり教室(人権教室)

どこがちがうかな

*令和2年度実施*

ある日のことです。
まゆちゃんは、朝、目が覚めたら、頭が痛くて、布団から起き上がれませんでした。
まゆママ「まゆ、昨日の誕生会で騒ぎすぎたんじゃない?帰ってくるのも遅かったし。
あら、熱が39度。これは、大変!」
病院へ行くと、すぐインフルエンザウイルスに感染していると分かりました。薬をもらって飲んだら、熱は下がりましたが、学校は、しばらく休まなければなりませんでした。

しるくちゃんも学校を休みました。しるくちゃんのおうちの方は、毎日仕事に出かけていました。
前の日、体がだるそうでした。早速、検査をしました。家族全員新型コロナウイルスに感染していることが分かりました。
しるくちゃんは少し熱っぽい感じがしただけでした。でも、検査で治ったとわかるまで、学校は休まなければなりませんでした。

しばらく休んでから、まゆちゃんが登校しました。まゆちゃんの姿を見たクラスの子が声をかけました。
友だち①「おはよう、もう大丈夫?待っていたよ」
友だち②「治ってよかったね、まゆちゃん。一緒に遊ぼ」
まゆちゃんを囲んで、嬉しそうに話していました。
まゆちゃんは、「学校に来れて良かった。」と思いました。

でも、しるくちゃんが治って登校した時、だれも近づこうとしませんでした。しるくちゃんが「おはよう」と声をかけても、横を向き、何も言わずに避けて行きました。
仲良しだったあさちゃんがそっと近づいてきて、小さな声で
「もう、来ていいの?本当に大丈夫?」と言いました。
しるくちゃんが歩いていくと
友だち③「うわあ、うつるから来るな」
教室のドアを開けようとすると
友だち④「触らないで、ウイルスが付く」と言われました。
掃除の時も
友だち⑤「触ると、うつるんじゃない?」
しるくちゃんの机や椅子を誰も触ろうとしませんでした。

あんなに楽しみにしていた学校なのに、しるくちゃんは悲しい気持ちでいっぱいです。


新型コロナウイルス感染症の流行で、それに関する偏見や差別が起こっています。

インフルエンザウイルス、新型コロナウイルス それぞれのウイルスに感染した2人の友だちへの対応を比べ、自分はどのようにするといいのか考えてもらいました。

悪いのは感染した友だちではありません。
あなたのことを大切に思っているよと伝わる温かい言葉をかけると、みんな笑顔になれます。みんな同じ、大切な友だちです。

偏見や差別はこのお話のように教室内で起こっているだけではありません。家に帰って、お家の方とも話し合ってもらえたらいいなと思っています。