2020年4月27日ワクワク ドキドキ
「今、何時?」
「9時」
もう、そんな時間?急げ、急げ!逸る心を落ち着かせながら、目的は「タケノコ・筍」
老舗料亭の料理人になった気分で、タケノコを手に入れなくっちゃと。農家の方が竹藪から、朝掘りしたタケノコが店に並ぶ、その時間が刻々と近づいている。
店に着く。
まっしぐらに、タケノココーナーに向かう。大中小いろんな大きさのタケノコが並べてあった。下の方に、赤いぼつぼつがあるもの、掘るときに少しだけ傷を負ったもの等々。
鍋の大きさを考えながら、できるだけ地面の外に顔を出していない、小さめのを選んで、カゴの中に入れる。
この店では、農家の方が収穫したばかりの野菜や山菜が並ぶ。朝一番のタケノコが手に入る店は、なかなか無い。店内で、精米もしているから、新鮮な糠が手に入る。しかも、無料。嬉しいこと尽くめ!
「タケノコのおかか煮」「タケノコご飯」「タケノコたっぷりの酢豚」あれこれ献立を考えながら、大鍋に、切れ目を入れた皮付きタケノコ、袋に入れた糠、たっぷりの水を入れ、竹串がすうっと通る柔らかさになるまで茹でる。
湯がいたタケノコの皮をむくと、すっきりとしたクリーム色の中身が顔を出す。真空パックで売られているタケノコと、格段の差がある。キラキラ輝くばかりの光沢。
ついつい笑顔になる。今年も、新鮮なタケノコが食べられる。
まだ、調理しなくては食べられないというのに、満足度は100%。五感がフルに働いて、ワクワク・ドキドキし始める。
いつもと同じように、季節は巡り、春爛漫。
全国的に緊急事態宣言が出され、外出自粛の中、自然の恵みは、小さな小さな幸せを、喜びをもたらしてくれます。