2020年11月30日百花繚乱
秋の七草のひとつ、フジバカマが今年も庭で咲きました。
何年か前に、京都に紅葉狩りに出かけた寺の庭に、フジバカマがあり、海を渡る蝶の「アサギマダラ」が群がっていた。夢中になって、写真を撮った覚えがある。日本列島を縦断し、2千キロ以上移動すると言われている。
「我が家の庭にも、好きなフジバカマがあるから、おいでよ。」と言いたいが、こんな僅かな花では、無理かな。それとも初めからルートに外れているから、立ち寄れないかなと勝手な想像をしている。
小学生の頃、友達の家の裏手にある花畑に案内され、次々に切り取られる花々を見ていた。色とりどりの花は、あっという間に一抱えもある量になって、「これぐらいにしようか。」の声で、やっとハサミの動きが止まる。学校に、花を持って行ける友だちが、本当に羨ましかった。
私の家では、子どもが花を自由に切ることはなく、ミヤコワスレ、キンギョソウ、カクトラノオ…など。それらは、主に、仏さまにお供えする花として育てられ、切り花をテーブルに飾るような習慣も無かった。
友達への憧れもあり、いつの間にか花好きに。花の本を広げ、名前も少しずつ覚え、季節ごとに花の苗や球根を買い求め、プランターや鉢を所狭しと並べて、満足。毎日の水やりは、義母任せだった。
6年ほど前、「北海道ガーデン巡り旅」に誘われ、上川・旭川・富良野・十勝に、ツアーだからこそ、何と8つもの個性豊かなガーデンを見飽きることなく、唯々、見ては感嘆の声をあげ、感激ばかりして、花づくしの数日間を過ごした。
雪解け後の4月中旬から10月までの限られた期間だけオープンできるガーデン。
6月だというのに、ジギタリスや色鮮やかなルピナスが満開。上野砂由紀さんの「上野ファーム」では、花の種を数種類買い求めた。
(花いっぱいの生活をしてみたい。蝶の舞う庭が良いなあ。)借りた畑は、野菜の畝が続くかと思いきや、花ばかりのコーナー、そして、また野菜の畝。花の種が飛んで、ピーマンのすぐ脇に、ルドベキアの黄色の花が咲いている状態。
野菜の周期は短く、次の野菜の準備のために耕すことが必要。きれいに咲いて真っ盛りの「トレニア」を引き抜き、石灰を蒔くことに。つい申し訳なく思い、花に声をかけてしまう。
春夏秋冬に応じて、春には、丈のあるグラジオラス、香りを楽しむ水仙など、「百花繚乱」あんなに山ほど切って花瓶に挿したいと願っていたのに、ほんの一部だけ花瓶に生ける。畑で自由奔放に咲かせ、そこで愛でている。丈夫で、適応力のある花が毎年花を咲かせている。何だか、人間社会と同じ!?
日常的に、花に関わる諸々の作業が楽しい。草取り、植え替え、花柄取り、肥料やり、作業は尽きることなく、汗びっしょり、日に焼け、真っ黒な顔になりながら、時間の経つのを忘れ、無になって一生懸命。(c・s)