2021年4月19日「無心になって」
何年か前、パッチワークの展示及び即売会に出かけ、たまたまキャシー中島さんの講演を聞く機会に恵まれた。タレントでもあり、カラフルな色使いのハワイアンキルトの第一人者でもある。キルトはとても真似できないが、講演の話の内容には、共感が持てた。
パッチワークの良い点について話された。話は夫婦のことにまでおよび、主人が、「今日は早く帰ってくる。」と朝、仕事に出かけたはずなのに、いつまで待っても帰宅しない。「もう!約束したのに・・・プンプン😡」
一人の食事を済ませ、布を広げ、キルトをし始めたら、いつの間にか主人のことは忘れ、無心になって、チクチク針を動かしている自分になっていた。気づけば怒っていた気持ちも収まり、主人が帰宅したころには、
「ええっ、まだこの続きをしたかったのに・・・」と、帰宅した主人に愚痴ったくらいだった。それほど、キルトは無心になって取り組めるものだと話された。
「キルトをしていると、夫婦円満でいられますよ。」確かに一理あるかも。
我が家は、テレビが一台だけ。主人が帰宅後は、ニュースに始まり、ドキュメント、歴史ものなど、どっぷり主人一人がリモコン片手にテレビ漬け。
横目でちらっと主人を見ながら、新聞も雑誌も読み飽き、ふと閃く。
「そうだ。あのドラマの中で見たタペストリーを作ってみよう。」
早速、図案を起こし、そして型紙づくり、布選び・・・やることが次々と出てきて、一気に忙しくなった。連夜、型紙通りの大きさの布をキルト針で、チクチク縫い合わせ、落としキルトをして、やっと完成。
季節や行事のタペストリーではなく、年中部屋に飾っておけるものが作りたいと思っていた。マグカップが横4個ずつ、縦に3個ずつ並んでいるタペストリー。自分の思いと一致。布の配色などは、ドラマの中で見たものの方が素敵だったが、違っていて当然。飾ってみると、我が家の居間が、明るくなったような気がした。
チクチク針仕事を無心になってやっている間に、何度、テレビの音と同時に主人のいびきを聞いたやら・・・。静かに夜が更けていく。これって、夫婦円満?!
(C・S)