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ホーム心のビタミン

「自分の気持ちを大切に」

 本センターが募集した「令和5年度 300字小説」の優秀作品を紹介します。

・・『僕の大好きな色』 中学2年生・・

「僕、ピンクが良い。」

しまった、と思った。馬鹿にされてしまうかもしれない。僕は男だけど、ピンク色が好きだ。他の人に馬鹿にされるのが怖くて、いつも青色とか、緑色とか、男らしい色を選んでいる。なのに、どの色の画用紙が良いか聞かれて、ついピンク色を選んでしまった。慌てて言い直そうしたその時、誰かが言った。

「ピンク色、良いよね。僕もピンクが良い。」

馬鹿にされるかもしれないと思っていた自分が恥ずかしくなった。【男らしい色】を勝手に決めて、自分をしばりつけていたのは、自分だったのかもしれない。誰かが言った。

 「へぇ、2人ともピンク色が好きなんだね。」

 「うん、大好き!」

 例えば、男の子はズボンを穿き、女の子はスカートを着用する等の、「男性はこうあるべき・女性はこうあるべきだ」という古くからの考え方は、家庭や学校、地域社会で様々な差別を生む要因になります。『自分の気持ちを大切に』する、そのためにはまず自分はどんなことができるか考えてみることが大切です。そして、お互いの人権を尊重し合う社会づくりをしていきましょう。