2011年1月24日「いきあい」を大切に
最近、無縁社会とよくいわれます。
山梨でよくつかわれる好きな言葉に「あの人にいきあった」という言葉
があります。
方言のようで方言でないこの言葉。
会った時、特別にその人に話した訳でもなく、すれ違っただけでも
その言葉は、使われます。
「生き会う」「行きあう」「往きあう」「息あう」との意味合いがある言葉だが
そんなことに構わずに、使っている言葉です。
人と人とが、何かの拍子であう機会は、本当に不思議なことです。
だから、話題として誰かに言ってみたくなるものです。
数秒早くても、遅れてもその人と会うことが叶わぬことがあるからです。
「あの日あの時あの場所で君に会えなかったら」と小田和正の歌にあるように
いきあうことは、また驚きのドラマなのです。
「人の行動パターンは、一瞬に3000のパターンが、刷り込まれていて、
そのパターンの中から選んで行動をしているという」(中国:天台大師)
そのパターンが合致した時に、「いきあい」があるから、稀(まれ)なことです。
ましてや、縁(よ)りによって可児のこの地に一緒に住むということ事体、すごいことで、
まさにそれぞれの有縁の地だったのです。
だから、「人生って不思議なものですね」
(愛燦々:作詞作曲・小椋桂――歌・美空ひばり) というのです。
「人と人とがまっすぐに向き合えないでいる社会、
人は、一人では生きられない。
人間という字は、文字どおり人と人との間で生きている。
そこから生きる力をもらっている。人は生き会っているんです」
(元岐阜大教授:藤田敬一氏)
「縁は紡(つむ)ぎ会うもの」。縁あって可児市に住む市民の皆様との絆を大切にして、
今年も「いきあって」いきたいものです。(y・k)