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「ダイバーシティ」を企業の新しい人権教育に!

 最近市内の企業から春に入社する新人教育として、人権のありよう
につき講話の依頼があった。
 今までやった大企業での人権教育と言うと国からの指導での同和問題
についての講話依頼であった。
 それは、つい近年まで被差別部落者への入社差別が現実としてあったからである。
日本の人権の歴史において同和問題は、日本人の多くが知るとか知らないに
かかわらず、命の問題であり、今でも奥底に内在している命の侵害の最たるも
のである。
 歴史的人権侵害であり、ナチス・ドイツのホロコーストと同等の国際的にも恥じる
べき人権侵害問題の一つとして学者間で知られている。
しかしながら、こうした人への差別は、法で罰せられることから今では企業が率先
して是正し守って今日を迎えている。このため企業教育も同和問題のみでなしに
併行した内容を求められるようになってきた。
 その一つに、企業のしたたかさも感じるが、差別や偏見の意識を企業の戦略として
強みにしていこうとする動きである。

 差別偏見の命の現れは、相手が、自分より違っていることに
1、自分の静けさを脅かすと考える。
2、似ていないと安心できない。
3、知らないことは、何が起こるか分からなく暗闇のように怖いと考える。
と言われる。

 従来企業は、永年雇用制であり、言われたことをそのままやるタイプの方が
受けが良かったことから、心理的に1、から3、項になり易かったと言える。
 今は企業競争の中で、個々の能力の違いを強みとした方向で伸ばす事が大事
だと変わってきた。

 最近の経済紙面に「ダイバーシイティ」の言葉を見る。
この意味は、多様性・異質性を意味しているのである。
いま企業は、この方向でしか勝てないと思うようになっているのである。
いわゆる個性を大事にして、いろんな意見があること、いろんな行動を否定せず
に検討課題に上げて判断しようとする動きなのである。

 人権教育の立場から言うと、多様性・異質性による差別や偏見が
企業経営の方向性から指導是正されつつあることは、ベクトル的にも一致して
良い方向になる期待が持てるのである。
 こうした企業の動きが進展して、パワーハラスメント等にも効力あれば、
人権的に一層よい流れになることを期待している。

 そして、一人ひとりがいきいきと働ければ効率も上がり、良いアイデア多く出易く、
企業と個人にとっても利益となるであろう。
 このような企業での人権教育は、歓迎されそうな思いがしているのである。(y・k)